慢性腎臓病(CKD)
腎障害が慢性的に持続する病態全てをとらえる疾患概念です。従来の慢性腎不全よりも早期の段階の腎障害を含み、早期発見・治療による心血管疾患発症や末期腎不全への移行を抑制することを目的とする。CKDの重症度に応じた治療が行われる。維持透析患者や腎移植患者もCKDに含まれる。
CKDのリスクファクター
既往歴:腎疾患、糖尿病、高血圧、尿路結石、急性腎不全、膠原病など
健診歴:蛋白尿、血尿、腎機能異常、腎形態異常
服薬歴:解熱鎮痛剤、抗菌薬などの腎毒性薬剤
その他:高齢、喫煙、肥満、脂質異常症、高尿酸血症など
CKDの症状・合併症・治療
発症初期は無症状であることが多いです。しかしCrが2mg/dL以上になると、
・むくみ→塩分制限およびループ利尿薬を中心とした投薬で対処します。
・高血圧→塩分制限およびARBを中心とした降圧剤の調整をします。
・貧血→貧血の鑑別診断を行い、ESA(エリスロポエチン刺激製剤)を2~4週に1回の皮下注します。
・高カリウム血症→生野菜、生の果物の摂取制限および、カリウム吸着薬を調整します。
・腎性骨異栄養症→P、Ca、intact PTHを活性型ビタミンD製剤および高リン血症治療薬を使用します。
を認め、専門的な管理を要します。
コメント
腎臓の根本的治療は難しく、治療の目標は、進行をゆっくりにする(ソフトランディング)ことです。
そのためには、リスクファクターの治療だけでなく、症状や合併症の管理が必要です。