当院の糖尿病治療の理念
当院の糖尿病治療の理念を下記に示します。
治療の理念1 腎臓内科・総合内科専門医として、血糖値だけでなく、腎症や併存症にも目を光らせる。
糖尿病は様々な疾患群をきたす病態であるため、その診療には総合医の能力を必要とします。
糖尿病の患者さんの多くは、糖尿病腎症などの細小血管症、心臓病、甲状腺疾患等の併存症を有しておられます。
血糖値だけでなく幅広い内科疾患の管理も努めます。
治療の理念2 外来通院で、血糖コントロールの改善を目指す(病状によっては、入院加療が必須)
当院では原則、教育入院を勧めています。入院下で食事療法を含めた包括的な治療が可能で、最も治療効果が見込めます。
しかし、当院を受診される方の多くが、
「血糖コントロール不良(HbA1c7%以上)で治療の見直しをしてほしいが、通院で治療できますか?」
「糖尿病を良くしたいが、入院はできません。外来でなんとかなりませんか?」
会社にお勤めの方や育児中のお母さん、学生さん等は、入院できないケースが比較的多いのも事実です。
当院では、通院で糖尿病の初回治療もしくは、治療見直しが可能です(重篤な病状では入院加療が必須)。
当院では、糖尿病の治療開始もしくは見直しを要する方の8割が外来で治療を開始しています。結果、比較的多くの方において血糖コントロールは目標内に至り、喜んでくださる方がおられます。
治療開始から概ね3か月~半年程で改善に至る事が多い印象です。
診察では、患者さんの今までの病歴や治療状況を確認し、血液検査などで病状を確認します。
比較的習熟した医師と看護師が、安全で有効性の高い治療を目指して診療しています。
もちろん入院治療の適応である方もおられます。そのような場合、適切に治療してくださる病院をご紹介します。
治療の理念3 適切な時期に、適切な治療を提案できるよう努めます
治療を開始・追加(Step up)する適切なタイミングがあります。いつ、足し算をするかです。
いつまで食事療法を続けて、いつから経口血糖降下薬を開始するか。
インスリン注射を開始するのは、いつか。
またいつから、治療内容を引き算(Step down)するのか。すわなち、インスリン等の自己注射の単位数を減量や離脱、またどのお薬を中止・減量するのかです。
血糖コントロール目標を達成するためには、糖尿病の病状に応じて最適な治療を試みる事が重要です。
当院では、病状だけでなく、治療される方の食事回数、仕事のスケジュール、希望等を勘案し、治療法を提案します。
お薬の治療では血糖コントロールが改善しないケースがあります。
・1型糖尿病
・高齢者
・インスリン依存状態またはそれに準ずる方
・血糖推移の変動が大きい方(血糖値が不安定)
・内因性インスリン分泌能の低下した糖尿病の方
の場合等、インスリン注射が必要なケースも多々あります。
このようの場合、適切な時期にインスリンを開始し、高血糖を是正することができればベストです。
当院では、通院によるインスリン注射の導入が可能です。
インスリン注射に比較的精通した医師・看護師が安全にインスリン注射をサポートします。