手術
手術適応と考えられるバセドウ病に対しては、甲状腺全摘術が推奨される。
良い点>
・手術はバセドウ病眼症の悪化の心配がない。
・薬で副作用が出たり、薬で治りにくい人
・早く治したい人、忙しくて、通院困難な人
・甲状腺の腫れが大きい人
・腫瘍性疾患を合併している人
注意点>
甲状腺中毒症では、手術や麻酔のストレスにより甲状腺クリーゼを発症する危険性がある。
このため、術前に可能な限り甲状腺機能を正常にコントロールする必要がある。
また、バセドウ病では血流が豊富となっており、出血のリスクがある。これに対して手術7〜10日前から無機ヨウ素を投与すると、甲状腺の血流が減少し、術中の出血量減少が期待できる。
・術後、甲状腺ホルモンを補充するために、甲状腺ホルモン剤(抗甲状腺薬と比べて副作用はほぼない)の内服が生涯必要である。
・私の印象では、手術経験豊富な術者だと、他の治療に比してスッキリ治る。
参考文献:
伊藤公一 他, 実地医家のための甲状腺疾患診療の手引き-伊藤病院・大須診療所方式 2013
吉野聡 他, 日内会誌 111:2279-2284, 2022




